なぜ人は“補聴器はいらない”と言うのか

こんにちは。
ヒヤリングアート株式会社 豊中補聴器センターのスタッフ 登尾 響(のぼりお きょう)です。

「お父さん、最近聞こえてないやん。」

ご家族がそう言うと、

「いや、ちゃんと聞こえてるわ。」

少し強めに返される。

補聴器相談の現場では、実はこういったやり取りがままあります。

ご本人は、
そこまで困っていない」と感じている。

でも隣では、ご家族が心配そうな表情をされている。

いざ現状のきこえを測ってみると、確かに聞こえづらさはある。
会話の中でも、聞き返しや聞き間違いが見られる。

それでも、多くの方は最初にこう言います。

「補聴器はいらない。」

では、なぜなのでしょうか。


「聞こえ」の問題ではなく、「イメージ」の問題

多くの方にとって補聴器は、単なる“道具”ではありません。

  • 年を取ったように感じる
  • 弱くなったと思われたくない
  • 人に見られたくない

そんなイメージと結びついていることがあります。

つまり、

「聞こえているかどうか」

ではなく、

「自分がどう見えるか」

が先に来てしまうのです。


困っている場面を、“たまたま”で片付けてしまう

例えば、

  • 会話を聞き返した
  • テレビの音量が大きい
  • 家族との会話でズレる

そんな場面が増えていても、

「相手の声が小さかっただけ」
「テレビの音が悪い」
「今日はたまたま」

と、人は自然に理由を探します。

これは決して悪いことではなく、人間の自然な反応です。

ですが、“少しずつの不便”は、自分では気づきにくいものでもあります。


「補聴器=最後の手段」というイメージ

今の補聴器は、昔と比べて大きく進化しています。

それでも、

  • かなり悪くなってから使うもの
  • 大きくて目立つもの
  • 不自由になってから使うもの

そんな昔のイメージのまま止まっている方も少なくありません。

だからこそ、

「まだそこまでじゃない」

という気持ちにつながることがあります。


本当は、“変化”が怖い

補聴器を使うということは、

  • 新しい生活に慣れること
  • 今までとの違いを受け入れること
  • 自分の変化と向き合うこと

でもあります。

だから最初の

「補聴器はいらない」

という言葉は、単なる拒否ではなく、

“まだ気持ちの整理ができていない状態”

なのかもしれません。


私たちが大切にしたいこと

補聴器相談で大切なのは、

無理に勧めることではなく、
「なぜそう感じているのか」を理解することだと思っています。

聞こえの悩みには、測定結果だけでは見えない“気持ち”があります。

だからこそ私たちは、耳だけではなく、表情や会話、その方の生活背景まで含めて向き合いたいと考えています。

「まだ大丈夫」

その言葉の奥にある本当の気持ちを、一緒に整理していくこと。

それも、補聴器相談の大切な役割だと考えております。

些細な変化でも構いません。きこえのご相談お待ちしております。


この記事を書いた人

登尾 響

登尾 響

  • 所属:豊中補聴器センター
  • 出身:大阪府
  • 趣味:絵画、犬の散歩
  • 大切にしていること:青雲之志を肝に銘じて、皆様の主訴に真摯に応え続けます。 ※「青雲之志(せいうんのこころざし)」とは、徳を磨いて立派な人物になろうとする心のことです。

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