補聴器最新モデルを聞き比べてみました！音質の徹底レビューVol.2

こんにちは！

豊中補聴器センターの森です。

前回に引き続き

「補聴器最新モデルを聞き比べてみました！音質の徹底レビュー」

第2回目は「交通騒音のある屋外」の聞き心地をレポートいたします。

（前回の記事はこちら）

※2021年4月12日　記事を更新:「音質の徹底レビューVol.3」はこちら

※2022年3月11日更新：「音質の徹底レビューVol.4」はこちら

まずは前回のおさらいです

３つのメーカーから最新機種を聞き比べ

今回は「スターキー」「オーティコン」「フォナック」の３メーカーの最新型耳かけ補聴器を比較しました。

それぞれの特徴についてはメーカーHPをご参照ください。

スターキー「LivioAI」

健康管理もできる補聴器RIC｜スターキージャパン

補聴器は聞こえるだけのデバイスに留めておいてはもったいない。センシング技術と人工知能（AI）を応用すれば耳に装着する新しいデバイスになります。脳と身体のケアもできる次世代の補聴器です。

オーティコン「モア」

More |モア - 耳かけ型充電式補聴器｜オーティコン補聴器

オーティコン モアは、脳の自然な働きをサポートする充電式補聴器です。クリアで完全なバランスにとれた音情景をより詳細かつ明瞭にして届けます。2.4GHz 低消費電力 Bluetoothを搭載し、スマートフォンと直接接続できます。就寝時に充電することで一日を通して補聴器が使えます。

フォナック「オーデオパラダイス」

フォナック オーデオ マーベル補聴器

フォナック オーデオ マーベルは、最高の補聴器に期待されること、つまり、明瞭で豊かな音を体感することにこだわっています。

比較前の準備

設定聴力を30dBに統一して比較

まずは同じ条件で比較するために、聴力を少し軽い難聴程度の「30dB」に統一して調整します。

ワタクシ森は聴力低下ありませんので、あまり大きめの音で設定すると不快感の方が強くなることを避けました。

耳栓は全てオープンタイプ

次に耳栓は３機種とも、軽度難聴者向けの「オープンタイプ」を選定しました。

耳栓の種類で聞き心地や音量がかなり変わりますので、こちらもサイズと形状を統一します。

お待たせいたしました

それではレポートにまいりましょう！

※こちらのレビューについては、あくまで森が試聴した主観に基づくものであり、全ての難聴者にあてはあるものではないことをご理解くださいませ

Vol.２：バス通り（交通騒音のある屋外）にて試聴した感想

スターキー「リビオAI」：方向感が掴みやすく忠実な原音感

まず、店内から外へ出た瞬間は騒々しさが際立ちます。これは静かな屋内では騒音抑制を控えめにし集音効果を高めている為です。

およそ20秒程経つと、リビオが騒音下であることを認識し始め、グッと騒音抑制がかかり始めます。そうなるといわゆる「雑音」として気になる様な感覚はありませんでした。

第１回の記事でもお伝えしましたが、「音の輪郭がクッキリ聞こえる」のでどこから音が聞こえてくるかのヒントがとても掴みやすい印象でした。

また、トラックが曲がる際やバックで進入する際の電子音が、他の2機種と比較して「生の耳で聞いた音（原音）に近く違和感が少ない」様に感じました（もちろん増幅されているので大きく聞こえます）。

オーティコン「モア」：新感覚の聞き心地で移動する音がよく分かる

モアを付けて騒音のある屋外に出た時の第一印象は「音の動きが立体的に聞こえる」でした。

今までの補聴器とは違った感覚で、車や遠くの電車の音など動きのある音が聞こえてくる感覚が分かりました。

また、車が通りすぎる音の動きが両耳の補聴器でしっかり動きが追え、「両耳が連動して音をキャッチしている」事が感じられました。

「モア」という商品が「音の情景を伝える」事をコンセプトにしていますので、一つ一つの音が存在感を持って聞こえてくる事で立体的に聞こえる様に思います。

ただ比較的他のメーカーよりも音の情報量が多めに感じましたので、音の距離感や方向感を掴むのに少し練習が必要そうです。少し弱めの音からスタートした方が慣れやすいように感じました。

また、電子音の類は第１回目の時同様「多少圧縮されたような音質」に感じました。

難聴の耳によっては「チャイムやブザーの音が耳障りで不快に感じる」方もいらっしゃいますので、人によっては聞きやすい音色に処理されていると感じるかもしれません。

フォナック「オーデオパラダイス」：騒音を感じさせない静けさ

第１回目の記事で書いた印象通り「とても静か」でした。

もりぞーの感覚では今回比較した３機種の中で最も静かに感じました。

試聴した順番が最後だったため少々物足りない位（ザワザワしている感覚が少ない）でした。

大きな音がするトラックやバスの通過する音を聞いてもストレスに感じる事はなく楽に聞こえる感じがします。

ただ会話音まで抑えている感じはなく、増幅されている実感はありましたので、屋外では会話以外の音情報を積極的に増幅していないのかなと思います。

騒音や周囲の音に敏感な方におススメできそうです。

まとめ

今回は騒がしい環境での聞き比べでした。

3機種とも音質が異なり、良い意味で「メーカーのコンセプト」が明確に感じられたように思います。

次回は「補聴器を装着してテレビを聞いてみる」です。

お楽しみに！

この記事を書いた人

森 裕之

• 所属：豊中補聴器センター　店長
• 出身：兵庫県
• 経歴：補聴器業界22年勤務
• 趣味：バイク・ギター・旅行（学生時代、バックパッカーとしてアフリカへの演奏旅行、キリマンジャロ登頂を経験）
• 大切にしていること：私のモットーは「共に楽しむ」です。悩みや問題は人と共有し、協力し合うことで立ち向かっていくことができ、そして共に乗り越えた喜びは一人のときよりも何倍も大きくなります。お客様と共に聴こえのお悩みをひとつひとつ解決し、そしてその喜びを共有させてください。
• 認定補聴器技能者登録番号：第23-4528号