こんにちは、池田補聴器専門店です。

日頃、お客様から「補聴器をつけたまま寝てしまっても大丈夫?」「夜中に音が聞こえないと不安だから、ずっとつけていたい」というご相談をいただくことがあります。結論から申し上げると、基本的には、就寝時には補聴器を外すことをおすすめしています。これは単なる“決まり”ではなく、耳の健康を守ること、補聴器を長持ちさせること、そして安全に使うことにつながります。

就寝時に補聴器を外す理由

理由① 耳の中を「休ませる」ため

耳の穴の入り口から鼓膜までの通り道を「外耳道」といいます。補聴器をつけている間、この外耳道はふさがれた状態になっています。日中ずっとふさがっている外耳道を、夜間はしっかり開放してあげることがとても大切です。

長時間ふさいだままだと…

外耳道がふさがれた状態が長く続くと、次のようなトラブルが起こる可能性があります。

こんなトラブルが… どんな状態?
蒸れ 汗や皮脂がこもり、耳の中が湿った状態になる
かゆみ・かぶれ 皮膚が刺激を受けて炎症をこし、かゆみや赤み、腫れなどが生じる
外耳炎 耳掃除のしすぎや、細菌などの感染が原因で外耳道に炎症が起きる病気
耳垢の詰まり 耳垢が自然に外に出にくくなる

特に湿度の高い日本の気候では、耳の中の蒸れは想像以上に起こりやすいものです。就寝時に補聴器を外すだけでも、耳の中の空気が入れ替わり、これらのリスクを減らすことができます。

理由② 補聴器の故障・破損を防ぐため

寝返りによる破損

眠っている間は、無意識に何度も寝返りをうちます。そのたびに、補聴器が枕や布団に押しつけられたり、耳から外れて体の下敷きになったりすることがあります。特に「耳掛け型」の補聴器は、耳にかかるフック部分に無理な力がかかると、折れたり変形したりすることがあります。

汗や湿気による劣化

就寝中は、ご自身で思っている以上に汗をかきます。汗や湿気が補聴器の内部に入り込むと、電子部品がサビたり、接触不良を起こしたりする原因になります。補聴器は小さいながらも精密な電子機器です。修理には時間も費用もかかりますので、夜は外して乾燥ケースや乾燥機に適切に保管することが、補聴器を長持ちさせる一番のコツです。

理由③ ハウリング(ピーピー音)を防ぐため

補聴器をつけたまま横になると、枕に押されて補聴器の位置がずれ、「ピーピー」「キーン」という不快な音が出ることがあります。これを「ハウリング」といいます。このハウリング音は、ご本人だけでなく、隣で眠っているご家族にとっても気になるものです。おふたりとも快適に眠るために、就寝前に外しておくと安心です。

理由④ 快適な睡眠のため

補聴器をつけたまま寝ると、耳の中や耳の周りに圧迫感が生じ、痛みや違和感を覚えることがあります。加齢とともに皮膚は薄く、デリケートになっていきます。70代・80代の方は特に、長時間の圧迫で耳の周りが赤くなったり、痛みが出たりしやすいため注意が必要です。

補聴器を外してぐっすり眠ることは、翌日の体調はもちろん、日中に補聴器を快適に使うことにもつながります。

「夜間に聞こえないのが不安…」という方へ

補聴器を外すべきだと分かっても、「夜間に何も聞こえないのは心配」という方は少なくありません。以下のような対策がありますので、ぜひご参考ください。

光や振動で知らせてくれる機器を活用する

用具の名称 どんなもの?
聴覚障害者用通信装置 音声の代わりに、文字を使ってやり取りできる通信機器。FAXや、文字を画面に表示してリアルタイムに会話できる専用端末などがある。電話での通話が難しい方が、ご家族や関係機関と連絡を取るために使われる。
聴覚障害者用情報受信装置 テレビ番組などの音声情報を、字幕や手話映像として表示・受信できる装置。聞こえにくい方でも、ニュースや災害情報などのテレビ放送の内容を目で見て確認することができる。
聴覚障害者用屋内信号装置 玄関のチャイム、電話の着信、火災警報器の音などを、光の点滅や振動に変えて知らせる装置。音が聞こえにくい方でも、来客や緊急事態に気づくことができるようになる。

これらは「聴覚障害者用の日常生活用具」として、お住まいの自治体から給付や助成を受けられる場合があります。対象者や対象機器については、お住いの市区町村の福祉窓口にお問い合わせください。

ご家庭ですぐできる工夫

  • 寝室のドアを少し開けておく
  • ご家族が緊急時にすぐ起こしに行ける距離で就寝する
  • スマートフォンの振動アラーム機能を活用する

まとめ

就寝時に補聴器を外す理由を、あらためて整理します。

  1. 耳の健康を守る ― 蒸れや外耳炎の予防につながる
  2. 補聴器の故障を防ぐ ― 寝返りによる破損や湿気による劣化を避けやすくなる
  3. ハウリングを防ぐ ― ご本人もご家族も快適に眠れる
  4. 睡眠の質を保つ ― 違和感や圧迫感のない快適な眠りにつながる

「日中はしっかり使い、夜はしっかり休ませる」。これが補聴器とも、大切な耳とも、長く上手につきあっていく秘訣です。

補聴器のお手入れや保管について気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。認定補聴器技能者が丁寧にご案内いたします。

参照情報

厚生労働省 平成 29年度障害者総合福祉推進事業

障害者自立支援機器の活用のための 支援体制構築の活性化に向けた調査研究 障害者支援機器の 活用ガイドブック

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000307902.pdf

 池田市 日常生活用具の給付について

https://www.city.ikeda.osaka.jp/soshiki/fukushi/shogaifukushi/shogaisha/18993.html

 

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