はじめに 「保管の仕方」で補聴器の状態は変わります

補聴器は、毎日身につける大切なパートナーです。 一方で、小さく精密な電子機器でもあるため、外したあとの保管方法によって、聞こえ方や不具合の起こりやすさに差が出ることがあります。

不調の原因はさまざまですが、日頃から正しく保管することで、補聴器を良い状態に保ち、長く快適に使い続けられることにつながります。

補聴器の「大敵」は3つ:湿気、高温、衝撃

補聴器は精密な電子機器です。まずは、補聴器が苦手なものを知っておきましょう。

湿気

補聴器は耳の中や耳の近くで使うため、毎日、汗や耳の中の湿気にさらされています。湿気が内部にたまると、次のような不具合が起こることがあります。

・音が小さくなる 、音が出にくくなる

・雑音が入る

・電池の消耗が早く感じられる

・内部部品の劣化につながる

日本は湿度が高いので、湿気対策はとても重要です。とくに梅雨時や夏場、汗をかきやすい方は注意が必要です。

高温

補聴器の外装や内部の電子部品は高温の影響を受けることがあります。たとえば、次のような場所は注意が必要です。

・真夏の車内

・直射日光が当たる窓際

・暖房器具の近く

・ドライヤーの熱風

このような場所では、変形や故障、電池への悪影響が起こるおそれがあります。

衝撃

補聴器は小さく軽いため、机や棚から落としただけでも、外から見えない部分に負担がかかることがあります。

また、置き場所を決めておかないと、うっかり踏んでしまったり、紛失してしまったりするおそれもあります。

正しい保管場所 どこに置けばいいの?

おすすめの保管場所

補聴器の保管場所は、次の条件を満たすところが理想です。

・直射日光が当たらない場所

・湿気が少ない場所

・温度変化が少ない場所

・お子さまやペットの手が届かない場所

・毎日同じ場所に置ける場所

具体的には、寝室や居間の棚や机の上に置いた専用ケースや乾燥器の中がよいでしょう。「補聴器はここに置く」と定位置を決めておくことは、紛失防止の基本です。

避けたい保管場所

次のような場所は、補聴器の保管には向いていません。

・浴室や洗面所 …湿度が非常に高く、温度変化も起こりやすいため

・キッチン周辺 …水、油、蒸気、熱の影響を受けやすいため

・車の中 …夏場は非常に高温になるため

・窓際 …直射日光や温度変化、結露の影響を受けやすいため

・ポケットやカバンの中にそのまま入れる …衝撃や紛失のおそれ、ほこりや汗の影響を受けやすいため

・ベッドや布団の近く …踏みつけや紛失につながるおそれがあるため

・ティッシュや紙に包んで置く …ゴミと間違えて捨ててしまうことがあるため

正しい保管方法;毎晩のひと手間が大切です

補聴器は、外したあとに少しだけ手間をかけることで、良い状態を保ちやすくなります。

ステップ1 電池式は電池蓋を開け、電池を外す

空気電池式の補聴器は、使用後に電池蓋を開けて保管することが一般的です。これにより、電池の消耗を抑え、内部にこもった湿気も逃がしやすくなります。

ステップ2 やわらかく清潔な布やティッシュで汗や汚れを拭く

外した補聴器は、乾いたやわらかく清潔な布でやさしく拭いてください。汗や皮脂、見えにくい汚れが付いていることがあります。とくに、耳垢が付きやすい音の出口や耳栓・イヤモールドの部分は、見える範囲で無理なく確認しましょう。

水やアルコール、洗剤、除菌シートなどを自己判断で使用すると、表面加工や部品を傷めることがあります。お手入れは取扱説明書に沿って行うことが大切です。

ステップ3 ケースや乾燥機に入れて保管する 充電式は専用充電器へ

補聴器は、一日使うだけでも汗や湿気の影響を受けます。そのため、補聴器用の乾燥ケースや乾燥器を活用して、湿気対策をすることが大切です。

充電式の補聴器は、専用の充電器に正しくセットするのが基本です。充電器の上からかぶせて使うタイプの乾燥機や、乾燥機能が一体となった充電器もあります。

なお、電池や充電方法の扱いは器種によって異なることがあるため、取扱説明書や購入店の案内も確認しましょう。

乾燥用品の種類と使い方

補聴器用の乾燥用品には、いくつかの種類があります。

・乾燥剤を使うケース

ケースの中に補聴器用の乾燥剤を入れて使うタイプです。比較的費用を抑えやすく、取り入れやすい方法です。

注意点として、乾燥剤は定期的な交換が必要です。交換時期や色の変化の目安は製品ごとに異なるため、説明書を確認しましょう。

・電気式の乾燥機

電気の力で乾燥させるタイプで、機種によっては送風やUV機能などを備えています。乾燥剤を交換する手間が少ない点がメリットですが、使用方法は製品によって異なります。また、UV機能付きの製品については、除菌効果の表現や適用範囲が製品ごとに異なるため、メーカーの表示内容を確認することが大切です。

どちらがよいか迷う場合は、お使いの補聴器の種類や生活環境に合わせて、購入店で相談するのがおすすめです。

よくあるご質問

Q1. お菓子などに入っている乾燥剤を代わりに使えますか?

一般的にはおすすめできません。食品などの商品に入っている乾燥剤は、すでに吸湿して乾燥効果が弱まっている可能性があります。また、食品用乾燥剤は補聴器専用に作られているわけではなく、使い方や安全面、乾燥性能の点でも適さない場合があります。補聴器には、補聴器専用の乾燥ケースや乾燥剤を使用しましょう。

Q2. 旅行のときはどうすればいいですか?

持ち運び用のケースや携帯用乾燥ケースがあると安心です。旅行先でも、外した補聴器をそのままポケットやバッグに入れず、ケースにしまう習慣をつけましょう。

また、飛行機に乗る際は、預け荷物にはせず、必ず機内持ち込みの手荷物で持ち運んでください。

Q3. 補聴器を使わない日も乾燥ケースに入れた方がいいですか?

保管環境によりますが、湿気対策のために乾燥ケースを活用するのは有効です。長期間使わない場合の保管方法は、電池をどうするかも含めて、器種ごとの説明書に従ってください。

季節ごとの注意ポイント

春🌸と秋🍂

比較的過ごしやすい季節ですが、日によって湿度差があります。汚れや湿気をためないよう、毎日の拭き取りと保管を丁寧に続けましょう。

夏🌻

一年の中でも、とくに注意が必要な季節です。汗と高温の影響が重なりやすく、補聴器に負担がかかりやすくなります。外出後は早めに汗を拭き取り、必要に応じて乾燥機を活用しましょう。

冬⛄

寒い屋外から暖かい室内へ入ると、温度差で結露が起こることがあります。暖房器具のすぐ近くに置くのも避けましょう。

保管以外にも 定期的なメンテナンスを

ご自宅での正しい保管に加えて、定期的に専門店でのクリーニングや点検を受けることをおすすめします。

認定補聴器専門店では、たとえば次のような確認や対応を行っています。

・音のチェック

・耳垢ガードやチューブなど消耗品の状態確認

・補聴器装用時の効果測定

・必要に応じた再調整のご相談

補聴器は、購入して終わりではなく、その後の管理や点検も大切です。来店の目安は使用状況や季節によって異なりますが、定期的な点検を受けることで、不具合の早期発見につながります。

また、急に聞こえにくくなった、片耳だけ聞こえ方が変化した、耳鳴りやめまいを伴うといった場合は、補聴器だけの問題ではなく耳の病気が関係することもあります。その際は早めに耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

まとめ 今日から始められる保管のポイント

毎日の保管で確認したいポイントは次のとおりです。

☑補聴器の定位置を決めている

☑外したら、やわらかく清潔な布やティッシュで汗や汚れを拭いている

☑電池式は電池蓋を開けている、充電式は専用充電器に置いている

☑必要に応じて乾燥ケースや乾燥器を使っている 、また乾燥剤の交換時期を確認している

☑定期的に専門店で点検を受けている

一つひとつは小さなことですが、毎日の積み重ねが補聴器の状態や使いやすさに大きく関わります。正しい保管を習慣にして、快適な聞こえにつなげていきましょう!

補聴器の保管方法や日々のお手入れでお困りのことがございましたら、お気軽に当店までご相談ください。認定補聴器技能者が丁寧にお答えします。