梅雨どきのジメジメが耳にも影響?――「耳カビ」にご注意ください【2026】
梅雨の時期になると、耳の「痒み」「つまった感じ」「におい」などのトラブルが増えることがあります。その原因のひとつが、いわゆる耳カビと呼ばれる外耳道真菌症です。
特にイヤホンや補聴器をお使いの方は、耳の中に湿気がたまりやすくなることがあり、気になる症状が出やすい場合があります。この記事では、耳カビとはどのようなものか、梅雨時期に起こりやすい理由、予防法、治療の考え方、そして補聴器を安全に使い続けるためのポイントをご紹介します。
目次
耳カビ(外耳道真菌症)とは?
外耳道真菌症とは、耳の入り口から鼓膜までの通り道(外耳道)にカビ(真菌)が増殖し、強い痒みや耳だれ、難聴などの症状を引き起こす感染症です。
原因となるカビ:アスペルギルス属やカンジダ属などの真菌
耳の中にカビというと驚かれるかもしれませんが、これらの真菌は普段から身の回りの環境や空気中、人体の皮膚や粘膜に存在しています。通常は体の免疫力や耳の自浄作用が守ってくれているので、問題になることはありません。ただし、耳の中が高温・多湿になったり、耳掃除のしすぎで皮膚が傷ついたりすると、真菌が増殖しやすくなります。
こんな症状があれば注意
耳カビでよくみられる症状には、次のようなものがあります。
・耳の強い痒み
・耳がつまった感じ
・耳垢がいつもと違う(酒粕のような白い耳垢、墨のような黒い粉が付着している)
・耳だれが出る
・耳の痛み
・耳の中のジクジク感
・においが気になる
・聞こえが急に悪くなった感じがする
・補聴器を入れると違和感が強い
細菌性の外耳炎と区別がつきにくい症状もあり、自己判断は困難です。気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科にご相談ください。
耳カビになりやすいきっかけ
外耳道真菌症の大きな原因の一つとして、耳掃除のしすぎが挙げられます。特に、清潔な綿棒よりも、普段から置きっぱなしにしている耳かきが原因になることが少なくありません。これは、空気中に漂っているカビの胞子が耳かきに付着するためです。耳垢の皮膚の保護作用が破壊され、耳掃除を頻繁に行うことにより刺激に慣れて感覚が鈍くなって、骨部外耳道に炎症を起こしやすくなります。その状態で胞子の付着した耳かきを使うと、カビが増殖しやすくなり、外耳道真菌症を発症する場合が多いと言われています。
なぜ補聴器を使っている人は特に気をつけたいの?
補聴器そのものが耳カビを引き起こすわけではありません。しかし、使い方や耳の状態によっては、耳の中が蒸れやすくなり、感染のリスクが高まる可能性があります。
補聴器使用時に注意したい4つの理由
1. 耳の中に湿気がこもりやすい耳穴型補聴器や、耳栓でしっかり耳をふさぐタイプは、耳の中の通気が少なくなりやすいことがあります。
2. 汗や皮脂がたまりやすい
梅雨から夏にかけては汗をかきやすく、補聴器や耳栓に湿気や汚れが付着しやすくなります。
3. 耳の痒みで耳を触りやすくなる
痒いからといって綿棒や指で触ると、外耳道の皮膚を傷つけて悪化しやすくなります。
4. 聞こえの変化に気づきにくいことがある
耳カビや炎症で耳の中がふさがると、「補聴器の調子が悪い」と思って来店される方もいらっしゃいます。実際には、補聴器の故障ではなく、耳のトラブルが原因で聞こえにくくなっているということもあります。
予防の基本は「耳をいじりすぎない・湿らせすぎない」
耳カビ予防で大切なのは、耳の中の皮膚を守ることと、湿気をためないことです。
1. 耳掃除はやりすぎない
綿棒や耳かきを奥まで入れるのは避けましょう。耳垢を奥へ押し込んだり、皮膚を傷つけたりする原因になります。
<目安>
・自分で耳掃除をする場合は、耳の入り口付近をやさしく拭う程度にとどめましょう
・耳垢が多い方、補聴器をお使いの方は、耳鼻咽喉科で定期的に耳の状態を確認してもらうのがおすすめです
2. 入浴後や汗をかいた後は耳まわりを乾かす
耳の中を強く拭く必要はありませんが、耳の入り口や耳たぶのまわりの水分をやさしく拭き取るようにしましょう。ドライヤーを使う場合は、熱風を近づけすぎないことが大切です。
3. 痒くても掻かない
痒みがあると、つい綿棒や爪で触りたくなります。しかし、それが悪化のもとになります。痒みが続く場合は、耳鼻咽喉科で原因を確認することが最優先です。
4. 補聴器を清潔に保つ
補聴器本体や耳栓、イヤモールドに汗や耳垢が付着すると、蒸れや汚れの原因になります。毎日のお手入れで清潔を保ちましょう。
補聴器ユーザーのための梅雨時期のお手入れポイント
補聴器を快適に使い続けるためには、湿気対策がとても大切です。
① 使用後にティッシュや清潔なやわらかい布で拭く
汗や皮脂、耳垢をやさしく拭き取りましょう。補聴器クリーニング用のクリーニングスプレーを使用するのも効果的です。
② 乾燥ケース・乾燥器を活用する
湿気は補聴器の大敵です。夜は専用の乾燥ケースや電気式乾燥器に入れて保管するのがおすすめです。梅雨時期は特に効果的です。電池式補聴器の場合は、電池室のふたを開けて湿気を逃がすようにしましょう。
③ 耳栓・イヤモールドの状態を確認する
汚れ、ひび割れ、べたつきがあると、装用感の悪化や衛生面の問題につながります。気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
耳カビが疑われるとき、補聴器はどうしたらいい?
耳に症状があるときは、無理に使い続けないことが大切です。ただし、聞こえの不便も大きいため、状況に応じた判断が必要になります。
●早めの受診をおすすめする症状
・強い痒み、痛み
・耳だれ、普段違う状態の耳垢
・におい
・補聴器を入れると強い違和感がある
・急に聞こえが悪くなった
・耳の中が赤い、腫れている感じがする
このような場合は、まず耳鼻咽喉科を受診してください。耳カビなのか、細菌による炎症なのか、湿疹なのかによって治療が異なります。
●受診時に伝えていただきたいこと
耳だれや強い痛みがある場合は、いったん補聴器の使用を休むよう指示されることがあります。一方で、聞こえの必要性が高い方も多くいらっしゃいます。受診の際には、以下のことをお伝えいただくとスムーズです。
・補聴器を使っていること
・どちらの耳に使っているか
・いつから症状があるか
・補聴器を入れると症状が悪化するかどうか
自分で市販薬を使ってもよい?
耳の病気は、見た目が似ていても原因が異なることがあります。そのため、自己判断で点耳薬や軟膏を使うのはおすすめできません。外耳道真菌症では、耳の中の清掃(洗浄)や、原因に合った抗真菌薬が必要になることがあります。間違った薬を使うと、かえって症状が長引くこともあります。
また、耳カビは良くなったように見えても再発しやすい病気です。症状が軽くなっても自己判断で受診をやめず、医師の指示に従って最後まで治療を続けることが大切です。
まとめ
梅雨の時期は、湿気の影響で耳カビ(外耳道真菌症)が起こりやすい状態になります。特に補聴器をお使いの方は、耳の中の蒸れや補聴器の湿気対策に少し気をつけるだけでも、トラブルの予防につながります。
大切なのは、次の3つです。
・耳をいじりすぎないこと
・耳と補聴器を清潔・乾燥気味に保つこと
・症状があれば早めに耳鼻咽喉科を受診すること
「最近、補聴器の調子が悪いと思ったら、実は耳のトラブルだった」ということもあります。梅雨どきの聞こえの不調は、補聴器だけでなく耳の健康もあわせて見直してみましょう!
参照情報
・日本医真菌学会「耳鼻咽喉科疾患としての真菌」
https://jsmm.org/common/jjmm44-4_277.pdf
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報(J-STAGE掲載)「外耳道真菌症の診断と治療」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/122/5/122_796/_pdf/-char/ja
・皮膚科Q&A「耳のカビ『外耳道真菌症』が急増中!イヤホン時代の落とし穴と治し方を徹底解説」
https://hifu-med.com/atopy/11582
お問い合わせ・来店のご予約はお近くの店舗までお電話を
補聴器をご検討の方・補聴器でお悩みの方、どうぞ安心してお任せください。
当店では他店様でご購入の補聴器も喜んで調整・クリーニングを承ります。
また当店はご予約のお客さまを優先させていただいております。
お待たせしないために、ご来店の前にご都合の良い日時のご予約をお勧めいたします。


