冬の“困った”を解決!冬に多い補聴器トラブルと対策

最近めっきり寒くなりましたね。マフラーや温かいコートが手放せないこの季節、実は補聴器にとっても少し過酷な時期でもあります。「最近、補聴器の音が途切れることがある…」「電池の減りがいつもより早い気がする…」冬になると、このようなご相談をいただくことが増えます。
そこで今回は、冬に多い補聴器のトラブルと、ご自宅で簡単にできる対策をお話いたします。大切な補聴器と長く快適に付き合っていくために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
トラブル1:急な温度差で発生!「結露」によるトラブル
冬に多いトラブルの一つが、この「結露」です。結露とは、冷たい飲み物を入れたコップの周りに水滴がつく、あの現象と同じです。暖かいお部屋から寒い屋外へ出た時や、マスクの中の暖かい息が補聴器に触れた時など、急な温度差によって補聴器の内部や耳掛け型補聴器(BTE)のチューブ部分に小さな水滴が発生することがあります。
補聴器は精密な電子機器。補聴器内部やチューブに結露が発生すると、「音が途切れる、聞こえなくなる」「雑音が入る」「サビが発生し、故障の原因になる」といった不具合を引き起こすことがあります。
結露を防ぐための3つの対策
こまめに水分を拭き取る
屋外から室内に入った時や、汗をかいたと感じた時は、乾いた柔らかい布で補聴器の表面を優しく拭いてあげましょう。
寝る前は「補聴器の乾燥ケース・乾燥機」へ
一日の終わりには、補聴器を専用の乾燥ケース・乾燥機を使用することを強くお勧めします。夜の間に、補聴器の内部に入り込んだ湿気をしっかりと取り除いてくれます。電池式の場合、電池を入れる「電池室」は湿気がたまりやすいので、電池室の蓋を開けてしっかり乾燥させましょう。
乾燥ケースには、乾燥剤を入れるタイプと、電気の力で温めて乾燥させるタイプがあります。特に湿気の多い環境や汗をかきやすい方には、乾燥効果の高い電気式の乾燥機がおすすめです。当店でも取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。
防水・防塵(ぼうじん)機能の高い補聴器を選ぶ
最近の補聴器は、「防水・防塵」性能が高くなっており、比較的新しいモデルの多くは「IP68」相当の性能を備えています。メーカーによっては「IP68」取得に加え、独自の耐久テストや特殊コーティング技術を導入している機種もあります。防水性能を重視される方は複数のメーカーや機種を取り扱う認定補聴器専門店にご相談いただくと安心です。
トラブル2:電池の減りが早い!「低温」「乾燥」による電池性能の低下
「冬になってから、電池の交換回数が増えた」と感じる方はいませんか?
それは、寒さが原因かもしれません。現在主流の「空気亜鉛電池」は、電池の表面にある小さな穴から空気を取り込み、内部の亜鉛と酸素が化学反応を起こして電気を作っています。しかし、気温が低いとこの化学反応が鈍くなり、電池の力が弱まってしまうのです。
また、乾燥も電池の寿命に影響を及ぼします。空気電池の内部には、化学反応を助けるための電解液という液体が含まれています。この電解液は、適度な湿度を保つことで正常に機能します。空気が極度に乾燥していると、電池の表面にある空気穴から内部の水分が蒸発し、電解液が乾いてしまいます。電解液が乾くと、化学反応そのものが起こせなくなり、電池は寿命を迎えます。
電池の性能を最大限に引き出すためのちょっとしたコツ
使う前に人肌程度に少し温める
新しい電池のシールを剥がした後、すぐに補聴器に入れるのではなく、手のひらで1~2分ほど軽く握って人肌に温めてから使用してみてください。これだけで、電池の働きが活性化されます。電子レンジやストーブの上などで過度に温めるのは絶対におやめください。
予備の電池は適度に温かい場所に保管
予備の電池を持ち歩く際は、カバンやコートの「内ポケット」など、なるべく冷えにくい場所に入れておきましょう。また、極端に乾燥した場所(暖房器具の近くなど)は避けましょう。
「充電式補聴器」という選択肢も
最近では、スマートフォンのように充電して使う「充電式補聴器」が大変人気です。電池交換の手間がなく、冬場でも安定した性能を保ちやすいのが特長です。
トラブル3:マフラーや帽子に注意!「紛失」や「落下」
冬ならではの服装も、トラブルの原因になることがあります。特に耳かけ型の補聴器は、マフラーやセーター、帽子などを着脱する際に、引っかかって外れてしまうことがあります。「気づいたら片方の補聴器がなくなっていた…」「落としてしまい、壊れてしまった…」、このような悲しい事態を防ぐために、以下の点を心がけましょう。
マフラーや帽子を着脱する際は、ゆっくりと
補聴器が耳にしっかり着いているか、指でそっと確認しながら着脱する癖をつけましょう。
「落下防止ストラップ」を活用する
補聴器と衣服をクリップで留めることができる便利なアクセサリーです。万が一補聴器が耳から外れてしまっても、落下や紛失を防ぐことができます。
まとめ:冬のトラブルは「ひと手間」で防げます
今回は、冬に多い補聴器のトラブルと対策についてお話ししました。
結露対策 → こまめな拭き取りと乾燥ケース・乾燥機の活用
電池対策 → 使用前に少し温める、保管場所に注意する
紛失対策 → 衣類の着脱はゆっくりと
少しの工夫で、冬でも補聴器を快適に使い続けることができます。
しかし、「音が聞こえなくなった」「雑音がする」といった不具合が続く場合は、ご自身で判断せず、ぜひ私たち認定補聴器店にご相談ください。故障だと思っていたら、簡単なクリーニングで直ることもよくあります。ぜひ気軽にご相談ください。
お問い合わせ・来店のご予約はお近くの店舗までお電話を
補聴器をご検討の方・補聴器でお悩みの方、どうぞ安心してお任せください。
当店では他店様でご購入の補聴器も喜んで調整・クリーニングを承ります。
また当店はご予約のお客さまを優先させていただいております。
お待たせしないために、ご来店の前にご都合の良い日時のご予約をお勧めいたします。

