小さい音は聞こえないのに、急に音がうるさい?それ、補充現象(リクルートメント)かもしれません!
こんにちは 池田補聴器専門店です。今回は「補充現象(リクルートメント)」と呼ばれる現象についてご紹介したいと思います。補充現象は、補聴器を使用している方やそのご家族にとっても知っておきたい重要なポイントです。ぜひ最後までご覧ください。
目次
補充現象(リクルートメント)とは?
補充現象(リクルートメント)とは、「音の強さ(物理量)の変化に伴う音の大きさ(感覚量)の変化が正常耳に比べて以上に大きい現象をいう.」(*)とされています。小さい音は聞こえないのに、ある音量(大きさ)を超えた途端に急に音が大きく感じられる現象のことをいいます。例えば、テレビの音量を想像してみてください。通常は、音量を少しずつ上げていくと、徐々に音が大きくなります。しかし、補充現象がある場合、音量を上げてもなかなか聞こえず、ある程度まで上げると、急に音が大きくなりすぎて、うるさく感じます。
難聴の中でも、「内耳性難聴」(内耳の有毛細胞が障害部位である場合の感音難聴)によく見られる現象で、伝音難聴や「後迷路性難聴」(内耳より奥の聴覚神経や脳の聴覚伝導路に障害が起きることで発生する感音難聴)では補充現象が陰性となると言われています。

補充現象はなぜ起こるの?
私たちの耳の内部には、外有毛細胞と呼ばれる細胞が存在し、主に小さな音を聞き取りやすくするための増幅役として働いています。外有毛細胞による増幅効果は、音が小さいほど強く、大きな音に対しては増幅を抑えて、内有毛細胞が過剰な刺激を受けないように調整します(自動利得制御)。外有毛細胞が障害されると、この増幅機能が低下し、その結果として、小さな音が聞こえにくくなり、聞こえ始める音の大きさ(聴覚閾値)が高くなります。また、音の細かい違いを区別する力も低下するため、騒がしい環境で言葉の聞き取りが難しくなるといった問題も生じます。また一方で、大きな音に対して抑制が働かず、異常に大きく聞こえてしまうのです。このようにして、「小さな音は聞こえないのに、大きな音は急に異常に大きく感じる」という補充現象が起こるのです。
補聴器調整と補充現象
上記で述べたように、補充現象が陽性の方は、健康な耳の人に比べて快適に聞こえる幅が狭くなっています。補聴器は聞こえにくい音を大きくして聴こえをサポートする機器です。しかし補充現象がある方は、設定によっては大きな音が急に大きくなりすぎて不快に感じることがあります。
補充現象がある場合の補聴器調整のポイント
1. 正確な聴力状態の把握
まずは、耳鼻咽喉科を受診し、正確な聴力検査を受けることが重要です。心配な方は補聴器相談医が在籍する耳鼻咽喉科で補充現象の有無もチェックしてもらいましょう。
代表的な補充現象の検査:バランステスト、SISI検査、MCL検査・UCL検査
検査結果に基づいて、補充現象の有無や程度を把握することができます。
2. 慎重な音量設定
音の大きさを一気に上げすぎないことが大切です。少しずつ最適なレベルを見極めて調整します。
3. 圧縮(コンプレッション)機能やMPO(最大出力)制限等の適切な設定
最近の補聴器には、「コンプレッション」機能があり、小さな音はしっかり増幅し、大きい音は程よく抑えるよう、自動で音量差をなめらかに調整してくれます。また、MPOを適切に設定することにより、突発的な大きな音が入った際などに、大きすぎる音が出力されるのを防ぎ、耳への悪影響から保護します。
4.場所・状況に応じた使い分け
補充現象のある方は、場所やシーンによって感じ方が変わります。複数の聴こえのプログラムを用意するなどして、状況に合わせて切り替えられる補聴器を選ぶのもおすすめです。
ご家族・周囲の方へのアドバイス
補充現象のある方は急に音が大きく感じるため、周りが思っているよりも日常生活の中での音や声を不快に感じているかもしれません。お話しする際は、耳元で大きな声で話すより、対面して「ゆっくり・はっきり話す」ことをおすすめします。
まとめ
• 補充現象は難聴の中でも「内耳性難聴」に多く見られる現象です
• 補聴器は個々の聞こえの特性に合わせて、コンプレッション機能やプログラムを適切に設定することが大切です
• お困りの際は、まず耳鼻咽喉科医の専門医に相談しましょう
参考資料
* 聴覚検査の実際
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