こんにちは言語聴覚士の森澤です。

 

難聴ではないはずなのに、言葉が聞きにくいことはありませんか?

あるいは、

居酒屋や雑音の多い場所での会話がほとんど聞き取れないことはありませんか?

 

 

もしかすると、聴覚情報障害APDの可能性が考えられます。

 

APDとはどのような状態なのでしょうか?

また、難聴と判断されるのはどこからなのでしょうか?

今回は難聴の基準難聴ではないのに言葉が聞き取りにくい状態のAPDについて話していきます。

 

聴力は悪くないのに言葉が聞き取りにくい「APD」とは?

 

【APD】聴こえは悪くないのに言葉が聞き取りにくい(聴覚情報処理障害)

聴力検査では聴力に異常がないのに、言葉が聞き取りにくいと感じている方は、もしかすると聴覚情報処理障害(APD)かもしれません。

聴覚情報処理障害とは

聴覚情報処理障害(Auditory processing disorder, APD)は,聴力の低下はみられないが,雑音下での聴取など聴取に負荷のかかる状況下で聴取の困難さを示す症状である。

第 14 回 日本小児耳鼻咽喉科学会 聴覚情報処理障害(Auditory processing disorder, APD)の現状と対応から抜粋

聴覚情報処理障害(APD)と難聴の違い

 

まず聴こえの程度、つまり難聴はどこからが難聴と分類されるのでしょうか?

日本聴覚医学会によると、25dB以上で難聴(聴覚障害)と分類されています。

難聴(聴覚障害)の程度分類

軽度難聴: 平均聴力レベル 25 dB 以上 – 40 dB 未満
中等度難聴:平均聴力レベル 40 dB 以上 – 70 dB 未満
高度難聴: 平均聴力レベル 70 dB 以上 – 90 dB 未満
重度難聴: 平均聴力レベル 90 dB 以上

(一般社団法人 日本聴覚医学会から引用)

したがって、24dB以下の聴力で耳の聴こえは良いと分類されます。

 

APDが難聴と違うところは

  • 聴力検査では難聴と診断されない
  • 加齢による聞き取り困難とは別の症状

が主に上げられます。

 

したがって,現時点では聴力検査上難聴はない,あるいは軽度難聴の中でもさらに軽度である方が雑音時に聴き取りが低下するのであれば、 APD の可能性があります。

 

聴覚情報処理障害(APD)かも?その疑いのある方向けのチェックリスト

 

もしかしたらAPDなのかも?っと思われる方は以下のような内容が該当するかもしれません。

 

  • 「一対一の会話あるいは小人数での会話は聴こえるなのに、雑音が多くなると途端に言葉が入ってこない」
  • 「学校での先生の声が聞きづらい」
  • 「聴力検査では異常がないのにどこか聞きにくい」
  • 「口頭で言われたことは忘れてしまったり、理解しにくい」
  • 「長い話になると注意して聞き続けるのが難しい」

などが挙げられます。

 

該当するものが多いほど、APDの可能性があります。

 

聴覚情報処理障害(APD)の対策

APDを緩和するにはどのような方法があるでしょうか?

 

雑音を抑える

APDの方は雑音が大きければ大きいほど、聞き取りにくくなります。

そのため、雑音を抑えることが効果的です。

 

例えば、

  • 会話の際にはなるべく静かな環境で話す
  • スピーカーやFM機器などの補助聴取装置を用いる
  • 会話の際には音楽、テレビ、ラジオなどは止める

などが挙げられます。

 

周りの音を出来るだけ少なくして会話を聞きやすくしてください。

 

文字による情報伝達を利用する

文字を使用するのも効果的です。

ノートテイクやパソコンを使用した音声以外での代替方法を用いるのはいかがでしょうか。

 

まとめ

  • 平均聴力レベルが25dB以上の数値で難聴に分類される
  • 聴力検査では聴力に異常がないのに、言葉が聞き取りにくいと感じている方はもしかすると、APDの可能性
  • APDは難聴と診断されない場合あるいは軽度難聴でもさらに軽度な方が疑われる症状

いかがでしょうか?

 

もし、ご自身が音は聴こえているのに言葉が聞き取りにくいと感じている方は、もしかしたらAPDかも知れません。

 

しかし、APDの症状かの判断は極めて難しいとされています。

 

一度最寄りの耳鼻科で受診して、現時点での耳の聴こえを検査してみてはどうでしょうか?

当店では、聴こえの悩みや補聴器が必要がどうかについてお話しします。ぜひご相談ください、

 

 

参考資料

第 14 回 日本小児耳鼻咽喉科学会 聴覚情報処理障害(Auditory processing disorder, APD)の現状と対応 小渕千絵 国際医療福祉大学 保健医療学部 言語聴覚学科 2019

日本耳鼻咽喉科学会会報 専門医通信 聴覚情報処理障害の診断と対応 益田 慎

聴覚情報処理障害 (APD) について 福島 邦博川崎 聡大

 

この記事を書いた人

森澤勇人

森澤 勇人

  • 所属:高槻補聴器センター
  • 出身:京都府
  • 経歴:補聴器業界4年勤務
  • 趣味:カメラ・映画鑑賞
  • 大切にしていること:補聴器を着けたことで普段の会話や挨拶が増えたと喜んでいただく、そんな方を1人でも多く増やしていきたいという思いで日々取り組み、そして補聴器を一緒に完成させることを大切にしています。音で悩まれている方はなんでもご相談ください。補聴器を着けて積極的な人生を送れるように全力でサポートいたします。
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